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バンダイビジュアル株主総会
株主総数:9621名
議決個数:14400個
参加者:1908名(記憶違いかも)
社長挨拶の後、貸借対照表とかの業務報告のビデオが流れる。
プレゼンビデオも例によって『バンダイビジュアル』というサウンドロゴから始まる。
で、そのビデオのナレーションが中原麻衣。さすがバンビジュと言った所だ。
この時点でマニアのハートを鷲捕み。
プレゼンビデオも分リやすく綺麗に仕上がっていて金がかかっているなぁという印象。
ざっくり事業報告をまとめると、
DVDパッケージ事業:299.12億円
(うちガンダム系が52億円で全体の20%弱)
ライセンス事業:22.76億円
合計:321.89億円
自己資金100%で7期連続増収増益。
事業報告に対する質疑応答。
総会中に走り書いたメモなので記録ミスや記憶違いが多々あると思う。
Q1:親会社バンダイナムコホールディングズ(以下バンナムHD)への40億円の貸付の運用と、その利子は報告書ではどこに記載されているのか?
A1:余剰資金の活用でバンナムHDには市場よりも高い金利で貸付している。
ただし、弊社内で資金が必要となったら直ちに返却してもらう条件で貸付している。
バンナムHDより良い運用先があったら、そちらに貸し付ける。
また貸付利息は550万円で損益計算書の受取利息の項目の中に入っている。
Q2:株主優待の経費と今後について。負担になるなら辞めるのか?
A2:販管費の中の交際費として年間2000万円かかっている。
弊社のファンとしての株主を増してゆく方針なので今後も続ける。
Q3:売り上げの4割がガンダムに依存している。
売り上げが頭打ちになっているのはTVの新シーリズが出ない所為なのでは?
A3:ここで言えることは少ないが新作については準備中である。
Q4:海外、特にライセンス事業の今後について。
A4:3年前にBandai Visual USAを設立して1年目で市場リサーチ、2年目の去年はテストマーケティングで(日本で企画された作品の)パトレーバを出した。
3年目の今年は本格的に市場に出て行く。
日本と同一クオリティ、同一価格、同一時期を考えている。
Q5:eコマース、次世代DVD、音楽配信について今後の予定を聞かせて下さい。
(eコマースや音楽配信には設備投資がかかるのでは?)
A5:アニメCHはバンダイチャンネルの設備を利用して経費削減をしている。
音楽配信だけでは事業は厳しいとの見方をしている。
次世代DVD:発売出来る環境が整って目途がついた。
6月:FREEDOMをHDDVDで発売
7月:HDDVD,BDの両対応もしくは方対応製品を発売
両フォーマットでの研究は行っている。
パッケージ事業を堅持しつつ、その他へ幅広く事業展開をする。
株価低迷は今後が不透明が見えない所為かと...
Q6:男性13名が退社しているが特別な理由はあるのか?
A6:子会社の出向が殆どで実際に辞めているのは僅かである。
Q7:映像出資比率について
A7:TV局や商社が多い。出来るだけ良いパートナから出資してもらいたいが内部で権利は保持したい。
Q8:(低迷している)株価対策について。例えば自己株買いなど検討しているか?
会社四季報を見ても株主上位10位以内が去年と変動している。
A8:自己株買いは有効な手段であるが今のところ計画は無い。
株価と実際の業績が必ずしも反映しているとは思えない。
それよりも会社の評価を上げて行きたい。
Q9:株価低迷で特別配当金が無くなると思うが親会社への貸付や余剰金を配当に回せないか?
A9:年間50億円の投資をしている。
来期も通常配当はもちろん出来るだけ多く配当したい。
Q10:今期の計画を数値で教えて下さい。
A10:20年2月までの計画(4/6発表)
売上高:350億円
経常利益:48億円
純利益:26.5億円
Q11:次世代メディアが出るため旧メディアの買い控えが出ると思うが次世代への展望はどうか?
A11:HDに対する準備は出来ている。夏よりHDDVD、BDのソフトをリリースすると共にプレー
ヤの普及に努める。
以前DVDが立ち上がった時と同じような作戦をしている。(当時のメディアはVHSおよびLDが主流だった)
HD規格の普及には非常に時間がかかると思っている。
Q12:中長期的なライセンス事業について。
例えば勇気ある撤退をする時の基準は何か?
A12:勇気ある撤退をする基準は明確には無いが、失敗しても辞められないという状況にはしない。
Q13:今は無料で見られるGYAO等があるが対してパッケージビジネスの努力(工夫)が足りないのでは?
DVDなどは特典等(カード等)を充実すべき。
Q13:まず、パッケージでは「見る喜び」を与えたい。
そのためハイビジョンマスタでやって行きたい。
もう一つは高付加価値「コレクションする喜び」を与えたい。
例えば次世代メディアでは特典映像をネットワークからのダウンロード出来るなど。
高付加価値商品をめざす。
Q14:最近クオリティが低いものが目立つ。「夜明け前より瑠璃色な」、「ギャラクシーエンジェルる〜ん」。
キャベツが緑色の球体だったりする所謂「キャベツ問題」や内容がつまらない等。
リテイクに費用もかかるし、直ってもどこが直ったのか分らない。
こんなであれば出さない方が良い。
これに関して経営側として認識はあるのか?
A14:(森本取締役より)大変耳が痛い話です。
「夜明け前より瑠璃色な」の「キャベツ問題」については認識している。
TV作品が多くて管理が回っていなかった。
今後は企画段階から入って内容をコミットして行きたい。
社長より:クオリティが高い物を作ってゆくという単純(基本的)なことをして行くので、どうか安心して下さい。
ここまでで1120。
まだまだ質問がある株主がいたが、この後の予定の関係上質問を打ち切った。
第1号議案「余剰金の処分の件」:質問なし。可決
第2号議案「取締役10名選任の件」:質問なし。可決
第3号議案「監査役1名選任の件」:質問なし。可決
第4号議案「取締役及び監査役に対する退職慰労金制度廃止に伴う退職慰労金打ち切り支給の件」:質問なし。可決
第5号議案「取締役賞与の支給の件」:質問なし。可決
第6号議案「取締役の報酬額改定の件」:
Q)日興コーディアルの問題もあるので業績連動だと粉飾決算をしてしまう可能性がある。
何らかの歯止めはあるのか?
社外取締役を半数以上置くなどのコンプライアンス(法令遵守)をどうとるのか?
A)細かいルールがあるので社内のチェック体制が効く。
また、取締役が相互監視し内部統制をしっかりしている。
(監査役より)事業報告などの会議には毎回出席してチェックしている。
質疑応答の後、可決。
株主総会、1138終了。
普通の株主総会だと30分程度で終わるところが1時間40分もかかってしまう。
質疑応答に殆どの時間を割いた。
10分間の休憩を挟んで1150より株主意見交換会。
株主意見交換会
1)Windoze Vistaのメディアセンタのバンダイのところが空。
->
配信事業についてはM$と話はしているが結構費用がかかるので今の所は空欄。
2)若い人達に旧譜の広告をすべきでは?
->
検討したい。
3)M$とのコラボについて。
->
アニメ向のHDDVDの圧縮技術の向上をM$,メモリテック社とコラボしている。
1月ではCESで発表し3月のTAFで実際に見てもらった。
4)次世代DVDでは圧縮音声はやめて欲しい。
->
ロスレスの件についてはドルビー社と「ドルビーTrueHD」のライセンスは結んでいる。
5)攻殻機動隊のHD版を出して欲しい。
->
検討させて欲しい。
6)エキストラを抽選でいいのでやらせて欲しい。
->
映像と違い声だけだと「ガヤ」等になってしまうのかも知れないが実現方法も含めて検討させてほしい。
7)コードギアスが良い所で終っているのはどうして?
->
確信犯的にやっている。
第2期も制作が決っており、綺麗に終わると次の作品に行ってしまうので引き止めるため。
8)エモーションが100%出資なのに連結決算していないのはおかしい。
会計の透明性から連結化して欲しい。
->
これまでは売り上げが小さかったので非連結だったが25期から連結化する。
9)広告費の調整で利益を出しているのでは?
->
TVなどハイコストな媒体からWebのようにスポット的な低コストの媒体に移行したため
広告費が下っている。
10)「キャベツ問題」があった中、今期早くも「キスダム」が日本中の笑い物になっている。
クオリティを上げるというのは口先だけで反省が無い。
->
「キスダム」についてはテコ入れして持ち直している。あんなに早い時期に総集編が出るとは...
下期については「プロセス管理」を導入して改善する。
11)次世代DVDはトールケースではなくBDのケースにして欲しい。(小さなサイズになるように)
->
ケースは作品の内容に併せて考えている。検討させて欲しい。
12)動画サイトに不正アップロードするような不正コピー問題に対する取り組みについて。
->
日本動画協会,JVA,JASRACに加盟しているが、そこからYoutubeに対しては不正アップロー
ドは通知すればスグに削除してもらう約束をしている。
現在は有効な対策は無く見つけたら削除という「もくら叩き」的な対処しか出来ていない。
14)去年の株主総会で言っていた「サンライズとやっているの凄いこと」って何?
コードギアスのこと?
->
コードギアスのことではない。
フリーダムや今日から公開された新SOS大東京探検隊を指す。
15)Lantisで平野綾さんの継続使用は無いか?
キングレコードの大月氏がやっている堀江由衣さんのような感じにならないか。
->
所謂、歌姫としては水樹奈々さんのような使い方を考えている。
作品に合せ歌い手を選ぶことはするが、歌い手を作品に当て込むようなことはしない。
16)川城社長がバンナムHDの取締役になる報道があるが、もしバンダイビジュアルがバンナムHDと合併したら我々はバンナムHDの株主になってしまう。バンダイビジュアルは残して欲しい。
->
バンナムHDの非常勤の取締役になるだけでバンダイビジュアルを吸収するつもりはない。
弊社の株主は98.5%が個人である。確かにバンナムHDが60.2%を保有しているが、バンダイビジュアルは個人によって支えられているので個人を軽視はしない。
1330より株主限定上映会。
映画の内容はプレスリリース前なのでここでの記述は控える。
結構、血しぶきが多い映画なので、その手が苦手な人は辛い部分があるかも。
ただダイナミックな動きは非常に良く描き込まれている。
音響についても会議場だったにもかかわらず非常用に臨場感があったので、ちゃんとした設備の映画館で聴けばもっと凄いかも知れない。
帰りに入場票と引き換えにお土産を貰う。
入場票を入れていたストラップは記念品としてお持ち帰り可だったので持ち帰る。
で、お土産の中身は[DVD]FREEDOM-1、情報誌BEETマガジン6月号、パンフレット(監督・ばんざい、新SOS大東京
探検隊)
[DVD]FREEDOM-1を貰ってもなぁ。1本で完結するヤツが良かったなぁ。DVDの続きは株主優待で貰うか...
株主総会の所感:
株主総会自体、初めて参加した訳だが、社長が質問に対して自信を持って淀みなく受け答えていたのが印象的だった。
ここ最近のクオリティ低下に関しては非常に懸念していたが質疑応答で担当取締役が自ら「キャベツ問題」と発言し認識があることが分ったのは収穫。
担当取締役の森本氏には一層の奮起を期待する。
さらに歌い手を作品に当て込むようなこと(いわゆる大月商法)はしないという森本取締役の発言には好感が持てた。
ただ、コードギアスの件は「えーーーー」という感じだったけど。
単に製作時間が無かっただけんちゃうんかという感じが否めない。
まぁ、何はともあれ何もかもがバンビジュらしい株主総会だった。